年齢を重ねるごとに、少しずつ身体能力の変化を感じるようになります。これらの変化は誰もが避けられないものですが、実感するまでに時間がかかることも多いものです。私が特に早くに変化を感じたのは「動体視力」でした。
20代の頃は、車やバイクで移動中、道路脇の建物の中にある時計がはっきり見えたり、すれ違う人や物の細部までがよく見えたりしました。しかし、30代になると少しずつ見えづらくなり、50代の今では動きの速いものを視界の中で追うことが難しくなってきたのです。動体視力の衰えを感じることで、自分が知らない間に反応の遅れが生じているかもしれないという気づきも得ました。日常のちょっとした場面で「目の疲れ」や「見えにくさ」を感じることが増えてくると、自分が年齢とともに変わってきていることを意識せざるを得ません。
身体能力や視力の変化には個人差があるため、他者がどのような変化を感じているか、また何を求めているかを理解するのは難しいものです。特に動体視力の衰えは周囲に説明しづらく、若い頃には想像がつかないかもしれません。こうした感覚の変化は、自分で経験しなければ実感しにくいもののひとつです。近年では、年齢に伴う視覚変化を疑似体験できるツールもあると聞きますが、やはり日々の変化の積み重ねで気づくことが多いのではないかと思います。
この気づきを若い職員にも共有することが大切です。年齢とともに訪れる変化を知ることで、彼らが周囲の高齢者に対してより理解を深め、配慮を持てるようになればと思っています。相手の立場に立ち、必要な支援や対応について考えることが重要です。年齢を重ねることで生じる変化を知ることは、自分が変わるだけでなく、他者に対する理解を深める一助にもなります。自分本位にならず、相手の視点に立って対応し、少しでも支援に役立てられるよう、こうした気づきを周囲と共有していきたいものです。
年齢を重ねて得た経験や気づきの中で、若い職員たちに伝えるべきことは多くあります。日々の業務や人間関係において、自分の経験を活かしながら共に成長していく環境づくりに貢献していきたいと思います。