介護業界でのキャリアアップ

介護の業界は「給料が安い」とよく言われます。私も、平成15年に社会福祉法人に嘱託職員として入職した際、給料は月17万円の固定給でした。残業代は出ましたが、それ以外の手当はなく、ボーナスは年2回、それぞれ1か月分が支給されるのが唯一の救いでした。年収ベースで考えると300万円に届かない状況で、決して豊かな生活とは言えませんでした。

しかし、私はこの状況に不満を感じる一方で、自分なりにできることを精一杯やろうと決心しました。仕事をしながら通信制大学に通い、社会福祉主事任用資格や社会福祉士受験資格を取得しました。また、福祉住環境コーディネーターの資格も取得し、介護福祉士の試験にも合格しました。これらの資格は、私にとって大きな自信となり、キャリアアップの土台を築く重要なステップとなりました。

介護の現場では、経験を積むごとに任される仕事も増え、やりがいを感じるようになりました。そして、昇進試験を受けるチャンスが訪れ、努力の甲斐あって合格。現在では、事業所の副所長として地域に貢献する立場になり、少しずつですが、責任ある仕事を任されるようになりました。

今では年収600万円を超えています。確かに、他業種や同年代の人と比べると多くはないかもしれません。しかし、定時制高校を卒業し、中途採用でスタートした私にとって、この成果は大きなものであり、努力が報われたと感じています。介護の仕事は「給料が低い」と言われがちですが、資格を取得し、経験を積み重ねていくことで、生活の質を向上させることができるのです。

もちろん、まだまだ改善の余地はありますし、介護業界全体としても課題は多いです。しかし、努力次第で着実にキャリアアップが可能であり、ささやかながらも一定の質の生活を手に入れることができると実感しています。これからも、自己成長を続け、介護の現場で多くの方に貢献していきたいと思っています。